大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和52(あ)1080 決定

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人井上二郎の上告趣意は、憲法三八条一項、二項、三一条違反をいう点もあ

るが、すべて実質は単なる法令違反の主張であつて、刑訴法四〇五条の上告理由に

あたらない。

なお、原判決が確定したところによると、被告人は、警察署に任意出頭を求めら

れ、午前九時過ぎから午後一一時ころまで警察官により取調を受けたところ、当初

から本件事実を素直に認めていて、取調官から威圧的な態度も示されずに終始平穏

に取調を受けたうえ、病気にかかつたり疲労した風は見うけられず、その旨の訴え

もなさず、食事も支給され、取調の途中で帰らせてほしいと申し出たこともなく、

午後六時ころ取調官から遅いから取調を打ち切つて後日取調を続ける旨言われるや、

今日中に終るのなら調べを続けてほしい旨申し出ており、その自由な意思のもとで

取調に応じた、というのであり、右のような原判示の事実関係のもとでは、前示の

ような被告人に対する取調が刑訴法一九七条、一九八条で許容される任意の取調の

範囲を超えた違法なものということはできないとした原判断は、相当である。

よつて、刑訴法四一四条、三八六条一項三号により、裁判官全員一致の意見で、

主文のとおり決定する。

昭和五二年一〇月二七日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 吉 田 豊

裁判官 本 林 譲

裁判官 栗 本 一 夫

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